今週に入り、朝晩はめっきりと冷え込み、山の色も急に黄色からオレンジへと
色どりが 変わってきました。
オレンジ色に染まっているのは 山の中だけではありません。
街の中も このところ、オレンジ色があふれています。
そうです!
目下、ハロウィン商戦 まっただ中!
レストラン、スーパー、レジャー施設、コンビニに至るまで、
どこに行っても、あのオレンジ色のかぼちゃが、コウモリをお供に従え、
ニンマリ笑っています。
そもそもハロウィンとは、西洋の民族行事だそうで、いろいろな変遷をたどり、
今ではアメリカなどで、
「Trick or treat! お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうよ!」
と 子どもたちが仮装して、お菓子を貰いに、家々をまわる楽しい行事となっているようです。
さて この 「お菓子をくれなきゃ いたずらしちゃうよ」
の フレーズを耳にするたびに、筆者は幼い頃の 強烈な記憶を思い出します。
それは、まだ自分が小学校低学年の頃、スーパーに母と出かけた時のことです。
そこには、どうしても買って欲しい キャラクターカード入りの
スナック菓子が売られていました。
しかし、幼いながらも そのお菓子は「買ってもらえないお菓子」と分かっていました。
それでもどうしても欲しくて 母に そのお菓子をせがんだのです。
案の定、母からは「このお菓子は買わないよ」と つれない返事が返ってきました。
そこで私は言ったのです。
「お菓子を買ってくれなきゃ 大きな声で泣いちゃうよ!」
スーパーの中で、大きな声で泣けば、母が困るだろうと思い、幼いなりに 知恵を絞った言葉でした。
しかし、その瞬間に母の手はピシャリと私の頬に飛んできました。
「あんたは なんて 卑怯な子なの! お母さんをおどすの?
そんな子は ここで泣いていればいい!」
と さっさと レジの方に歩いて行ってしまいました。
ほっぺたの痛さと、叱られた悲しさで、ぽろぽろ涙を流しながらも、ここで声を出して泣いたらもっと叱られると思い、声をあげて泣きたいのをこらえながら、母の後を追いかけた痛烈な記憶があるのです。
このいっけんすると 厳しい母の「卑怯な子」という言葉ですが、今になって思えば、
自分はこの時「大切な言葉」を 母から貰ったと感じています。
この言葉はその後、ずっと自分の心に ささっているからです。
そして、何かで迷うたびに、この言葉は、「卑怯な自分ではないか?」と
立ち止まる機会を与えてくれます。
そして、ついつい「わかっちゃいるけど 卑怯な方向に流れてしまう未熟な自分」
も 自覚させてくれます。
そんなわけで、ハロウインが来るたびに 反省もふくめ
「何もしてくれなくても 無条件で、がんばろうとする自分になれるよう精進します!」
と かぼちゃに語りかけている筆者です。
にんまり笑っているかぼちゃからは、
「アンタ 来年も どうせまた反省してるよ・・・」
という言葉が 聞えてきそうですが・・・・
ベル・クラブにて